多民族多宗教多文化国家であるマレーシア。国の正式な独立は1965年、面積は日本の約0.9倍、人口は日本の約6分の1という小さな国ですが、2020年までに先進国の仲間入りをしよう!と近年、幼児教育に社会的関心が高まっています。
貧富の差や多様な民族間での教育機会均等、格差是正を目指す中、どうしても保育が一斉、教師主導になりがち・・・。
そうした中、中部に位置するサルタン大学の附属保育教育施設であるUSPIセンターでは、「子どもの興味・関心を育み、探究的な生活と学びを」とプロジェクト活動を保育の特徴の一つとして展開しています。
加えて、一人ひとりのニーズに応える保育として力を入れているのが、インクルージョンです。特に、集団生活を難しく感じる子どもには「私が私であることを保障する空間」として、スヌーズレン(Snoezelen)の部屋があります。
スヌーズレンはもともと重度の知的障がいを持つ人が感覚刺激教具空間の中でリラックスしつつ感覚器官を養うこととしてヨーロッパで普及しています。
UPSIセンターでは、子どもが自分と対話したり、イライラした時に情緒をコントロールしたりする空間として活用されています。音と光と色の融合が子どもが自分と出会い対話する時を誘っているのです。