公益社団法人 全国私立保育連盟

保育のこだわり

アイルランドの保育園を訪ねて

広大な園庭7月に開かれた世界幼児教育・保育機構(OMEP)の第66回世界大会参加の機会を捉え、開催地であるアイルランド第二の都市コーク市内にある保育園を訪問しました。

ベスボロー・センター保育園は70年の歴史を持つ城壁に囲まれた広大な敷地内にあり、就労支援施設、家庭内暴力から避難してきた親子の寄宿舎、障害児親子の寄宿舎など、幅広い分野での社会福祉事業を展開しています。


伐採した木でつくられたベンチ保育園は生後4ヶ月から満1歳、満1歳から満2歳、2・3歳児、3・4歳児、4歳児の5つのクラスに分かれており、8歳までの学童保育施設も併設されています。「園庭」というよりは「大きな公園」と呼ぶのが相応しい場所には様々な樹が植えられており、そのメンテナンスも行き届いており、所謂日本流の「お散歩」という活動が無い海外の保育園では、安心して園児が緑を楽しめる空間になっています。園内移動の乳児用の乳母車もかなりしっかりしたものでした。

園庭移動用の乳母車「こんな広大な場所で園児が遊ぶと、迷子や所在不明で心配にならないですか?」という質問に対して「子どもたちは自分の安全でいられる境界を知っていて、自分から保育士が見えなくなるような遠いところには行かないですよ」との答えでした。

園庭の木を伐採して手作りのベンチや遊具が作られており、廃材など一切ださず、木の皮はチップ状にして使うなど、ESDの実践も目にする事が出来ました。