公益社団法人 全国私立保育連盟

保育のこだわり

上海浦南幼稚園を訪問して

2013年7月、OMEP上海大会に参加した折、上海市のモデル幼稚園のひとつ浦南幼稚園が公開されました。中国は2010年に幼児教育10カ年計画をスタートさせており、国家予算を重点的に就学前教育に投入しています。

2010年から2012年の2年間で幼稚園の新設が30,900園と急速な増加ぶりと報告されました。上海市もその政策の一環で幼児教育の近代化を図るために、モデル園を行政区毎に設置しています。

屋外環境はソフトな素材で舗装された運動場と遊具空間そして芝生のエリアが整備されていました。写真はすぐにでも活動が展開できるように配置されている運動器具です。

保育室を巡って強く印象に残ったことは、保育室毎の遊具・教材が見本市会場のように機能別に配置されていたことです。カラオケごっこにはカラオケ用玩具が、建設現場ごっこにはヘルメットが完備という道具立てでした。お店やごっこの部屋ではATMの模型、美容室には本物仕立ての化粧品セットが並びます。

ことさらに文字や数の指導はしていないとの説明でしたが、遊んでいる様子からはボードゲーム等のレベルは高く、すでに読み書きができていることを示していました。

子どもたちの遊びに必要なものは、完璧に揃えるという意志が見事に示されていました。日本のマンガ・キャラクターが大きく壁面装飾に使われていたので意外に思いましたが、「子どもたちが好きなので」とおおらかでした。