公益社団法人 全国私立保育連盟

保育のこだわり

K-6・シカゴ

 1今年7月に米国シカゴ郊外の小学校を訪問しました。友人の奥さんが4年生の教員で、夏休み中で静まりかえった校舎内を案内してもらう機会に恵まれました。アメリカの街中をドライブしていると“K−6”とか“K−9”といった看板を掲げた学校を見かけることがあります。“K”はKindergarten(幼稚園)で、6は6年生、9は9年生(日本の中学3年生)を指します。私が訪れたのは“K−6”の公立学校です。

 この4月に保育所から幼保連携型認定こども園に移行し、園運営・年間指導計画策定に際して、小学校への“接続”をこれまで以上に意識するようになり、いわゆる「小1の壁」の解決策のヒントを探しに行ったわけです。

2 私個人も90年代はじめにロサンゼルス郊外に前職で転勤になり、当時2歳、3歳の子供を帯同し現地校に通わせましたが、その学校も“K−6”のシステムで、幼稚園は小学校の校舎の一角にあり、物理的には「小1の壁」は存在せず、心理的にも小学校への進学は親としてなんら気にかけることもなかったし、子供達にとってもストレスはなかったと思います。

 今回訪れたシカゴの学校も“K”は1年生の隣にありました。小学校の教室は、日本のように“教壇+黒板”が上席(先生の場所)で、縦横綺麗に並んだ机と椅子は生徒の場所といった明らかな区別はなく、また生徒が寛ぐソファーや本棚などがどの学年の教室にも置かれ、生徒の席は黒板の前に半円形にレイアウトされています。

授業もディスカッション中心。タブレットでプレゼン資料を生徒同士が作って、プロジェクターで黒板に投影してさらにディスカッションを進める方式を4年生では取っているとの話でした。先月、園のある市内の小学校の公開授業で2年生が九九を合唱したり、黒板に書かれた九九の穴埋め問題に答えを順番に教壇に上がり書き込む姿を見て、壁の原因を見つけたような気がしました。