公益社団法人 全国私立保育連盟

活動報告

 今回は、「第 42 回全私保連青年会議広島大会」の実行委員会特集をお伝えします。広島の魅力について、そして気になる大会運営について、実行委員長へのインタビュー形式でお伝えします。

Q1 「広島」の魅力について
お好み焼きだけじゃありません……!

① 美しく豊かな自然と広島のうまいもん!
 広島に着いたら、まず目に映る中国山地。そこから多島美輝く瀬戸内海へ注ぐ川が落ち葉の栄養を運び、牡蠣や魚を育みます。また澄んだ地下水で野菜の路地栽培、酒や酢、ソース等の製造が盛んです。
②  昭和と令和が共存する街
 広島市街は太田川が広島湾に築いた三角州を多数の橋でつないでできています。水と緑あふれる街並みに路面電車、ガス灯、石造りの雁木など、戦前のデザインが映えています。市街周縁部に広島駅や宇品港など陸海運の中継点があり、中国地方を代表する政令市としてビジネス・物流拠点であり、どこに行っても飲食店が軒を連ねています。
③  スポーツに熱い!
 飲食店のテレビ、タクシーのラジオの選局はほとんど野球、お客さんも店員さんもカープの試合を気にしている人が多いです。

Q2 広島大会実行委員会のメンバーについて
 
実行委員会は(一社)広島市私立保育協会総務部 青年会議委員会で構成しています。青年会議委員会は、広島市域の保育施設の後継者や若手経営者約16名で構成し、次世代育成と自己研鑽の場として保育士等キャリアアップ研修や子育て世帯向けのイベントなどの企画・運営を行っています。保育士資格を持ち、保育に携わっているメンバーがほとんどで、近い立場同士で悩みやアイデアなどを共有し、月2回ほど会議を行っています。メンバー同士で話すと、他職種の経験や保育と異なる分野での才能を持っていたりして、ユニークな集まりだと思います。

 広島大会実行委員会のメンバー    

Q3 大会テーマ「こどもたちと平和な未来を~そりゃあ  平和が一番じゃろぉ~」について
 今、広島で保育の大会を行うのなら、子どもたちと共に平和な未来を願うことのほかは考えられないと、大会テーマを決めました。大会について考え始めた頃は「いろいろな生き方が認められる社会についての研修をしたい!」という声がメンバーから上がりましたが、その直後、令和4年2月にロシアがウクライナに侵攻し、ショックを受け、このテーマに満場一致で決まりました。
そんな大きなテーマに対し、もっと身近に現在の自分事として考えるための良い言葉がないかと委員会で考えていたところ、ある委員から「そりゃあ、平和が一番じゃろぉ」。その広島弁のつぶやきのままをサブテーマに入れました。子どもたちが育っていくためには、何を差し置いても平和が一番大切だよねという意味です。
 大会テーマから保育の現場を考えると、人間関係の平和というのが一番大切です。まずは、自分と相手が違うことをはっきりと知り、そして協力・調整を行うことが大切なのです。保育者がそういう姿勢であれば、自然に未来を担う子どもたちも粘り強く話し合い、模索する人になっていくと思います。

 平和記念公園

Q4 広島プログラム(平和学習)に何か 特別な思い入れがあるようですが……
 職業人、社会人として生きる今こそ、かつての惨禍の記憶にもう一度向き合い、再認識する機会が必要だと考えています。
 今回の広島大会は市の中心にある平和記念公園周辺で開催します。平和学習を受けて育ってきた広島市民にとっては馴染み深い場所であり、県外の方も修学旅行などで訪れたことがあるかも知れません。しかし公園周辺には今、資料館をはじめ、さまざまな被爆遺構や石碑、新たに整備された施設等が点在し、ボランティアガイドの方々が説明しています。
 今、世界中から「HIROSHIMA」を訪れた人々が何を見聞きして帰っているのか、一番近い日本人や広島市民が一番知らないかも知れません。リモート研修が当たり前な中であえて、広島に集まるのですから、ぜひとも紅葉の平和記念公園を散策し、感じた心を仲間と語り合って、子どもたちの未来のことについて考える時間を持っていただきたいです。

  広島プログラムでの1枚

Q5 子どもたちにとっての広島大会とは?
 平和の大切さ、尊さについて身近なところで話をするきっかけです。広島の園の子どもたちは、普段の先生たちの話を聞きながら日々成長しています。広島大会に参加された方に限らず、広島を訪れた方はそこで見たこと、聞いたこと、感じたことを子どもたちに話していただきたいです。子どもたちそれぞれが自由な感性で受け止めることが大切です。
 また、開会式後の全体会の中で平和に関する絵本の朗読を予定しています。子どもたちに身近な絵本の読み聞かせで自然と平和について知ってもらうことができるという提案です。

Q6 青年会議の仲間たちにメッセージを!
 青年会議は若い力が集っているから、すごいことが次々に起こってくる場所です。保育に関わるすべての仲間たちに全私保連青年会議のことを知ってもらいたいです。子どもたちのために本気で頑張れる仲間たちがいて、集う場所があるというのは自然なことかも知れませんが、先輩たちの願いがつのって今の形があるのだと思います。自園や自法人で行き詰まった時、損得抜きに話せる仲間たちがいます。チャンスがあるなら掴みましょう!!


 広報活動の様子  


広島大会実行委員長 龍山 浄さん
(とも認定こども園事務)

 
 今回は「地域の枠組みを超えて」と題して、福岡県内で活動する青年部組織の連携について紹介をします。福岡県は全国の中でも「県内に3つの保育団体組織がある」唯一の県です。青年部組織もそれぞれに存在し、政令指定都市である福岡市の福岡市保育協会青年部、同じく政令指定都市の北九州市私立保育連盟青年会議、福岡県全体をカバーする福岡県保育協会青年部の3つの組織は、同じ福岡県内の中で異なる環境にありながらも、常に情報共有をしながら、それぞれの保育環境の向上のために切磋琢磨しています。以下、連携強化のための取り組みをご紹介します。

1 我ら『参社會』
 それぞれ30年以上の歴史のある青年部組織が3つも活動する福岡県。置かれている環境は異なりますが、それぞれの恵まれている点や課題などを情報共有しながら、交流を続けてきました。
 それぞれの保育現場の問題、行政との関係・対応の違い、部員数の確保の問題、職員処遇の地域差など、常にタイムリーな話題を話し合ってきましたが、コロナ禍で一時的に停滞したその関係を再び活発化させるべく各部長が中心となり動き出しています。
『参社會』(自称)と呼ばれるリーダーたちの強いつながりをベースに、全国で最も熱い「保育県」を目指しています。

2022年度各支部会の部会長。
左から岡本先生(北九州市)、星岡先生(福岡県)、古賀先生(福岡市)    

2 毎年行われる合同研修会
 コロナ禍が始まった2020年以来中止・延期が続いていますが、毎年1回、幹事持ち回りで合同研修会 を行ってきました。テーマは多岐にわたりますが、講師をお招きして講演を聞くセミナーもあれば、体験・視察型の研修もあります。直近では多くの保育学生が集まる福岡市の保育園就職フェア(於:アクロス福岡)の見学ツアーを行い、各地区が抱える保育士確保の問題やその解決策を模索するなど、喫緊の課題解決につながる研修が主流となっています。また、組織を超えた部員同士のつながりを大切にしたいために、研修後の懇親会は盛大に行っています。たくさん学びのあった夜には、中洲、小倉、久留米といったそれぞれのホームグラウンドで、地元の経済活性化に貢献する青年部員たちの姿が見られます。そして、その交流をきっかけに仲よくなった部員の園同士の交流が始まるのです。
 小規模保育事業が始まった時には、先行する福岡市の情報を活用しながら事業を開始する北九州の園があったり、認定こども園についての情報を県や北九州の先生から教えてもらい、今後に生かそうとする福岡市の園があったり、それぞれの保育運営に活かせる関係が広がっています。そして、2023年度の幹事である福岡県保育協会青年部は久し振りの合同研修会の開催に向けて、張り切って準備を進めてくれています。

3 行政・議員とのつながり
 合同研修会とは別に、福岡県議会議員団との意見交換会を毎年行っています。こちらもコロナ禍以来延期が続いていますが、普段はなかなかお会いすることのない議員の方々との交流・人脈づくりは貴重な機会として続けていました。特にここ数年は、保育園・待機児童の問題が社会問題として注目を集めていたこともあり、熱心に保育界の話を聞こうとされる議員の方ばかりでした。
 議員との付き合いといえば選挙の時の応援といった一方的な関係だけでなく、保育界の課題や実情を伝え行政に訴えていく機会が重要です。そしてアフターコロナのあり方として、議員との交流は従来とは違った形になっていくかも知れませんが、県議だけでなく市議、あるいは国会議員の方々との関わりも重要です。青年部の立場だからこそできる有意義な取り組みを今後も模索していきたいと思います。

県議会議員との意見交換会の様子


4 九州から保育を盛り上げていきたい
 福岡県に限らず、九州の各県の青年部の仲間たちは保育に対する熱い思いを持っています。九州は、「九州保育三団体青年部協議会」としての活動も盛んで、九州8県のメンバーが組織の垣根を越えて団結する土壌があります。
 新しいことへの挑戦や斬新な取り組みを始める仲間が周りにいて、とても刺激にあふれる環境の福岡、そして九州。今年度は佐賀県で九州保育三団体青年部協議会の研修大会(佐賀県保育協会青年部主催)が行われます。九州各地から集まる仲間との学び・交流の機会に、今からワクワクしています。
 今、福岡県は人口が増えている福岡市とその周辺地域があり、それ以外の人口減少地域とに分かれています。福岡市の中でも子どもの数が減っている地域もあれば、都市部以外でも子どもがしっかり集まる園があったりします。それぞれが課題を抱え、少子化が進行する将来に向けての保育園・こども園運営に不安はつきませんが、子どもたちと園のよりよい未来のために、この福岡の仲間たちとこれからも研鑽を重ねていきます。
 コロナ禍も収束局面を迎え、オンライン中心から対面、自粛から活発な移動へとフェーズが変わってきました。福岡の地は交通の便に優れ、美味しい食べ物の魅力があり、美人も多い !? と言われる人気の観光地です。個人での旅行もいいですが、研修や視察を検討の方はぜひオススメですので、その際は我々にお声かけください!


福岡県保育協会青年部部長 星岡 剛先生
(認定こども園おんがの園園長)

福岡市保育協会青年部部長 有松 徹先生
(原中央保育園園長)

北九州市私立保育連盟青年会議会長 宮原健輔先生
(栄美保育園園長)

 第4回幹事会(全国保育会館2階会議室)の様子
 
 令和5年2月16日(木)14:00から全国保育会館にて、対面とオンラインのハイブリッド形式で第4回幹事会が開催されました。本幹事会の主な内容は、昨年開催された第41回全私保連青年会議愛知大会について、来年度開催予定の第42回全私保連青年会議広島大会について、また初めての地方開催となった特別セミナーの事業報告ならびに収支報告についての協議、審議がされ、活発な議論が飛び交う大変有意義な時間となりました。

【青年会議第4回幹事会】
日 時:令和5年2月16日(木)14:00~15:30   
会 場:全国保育会館2階会議室

【会次第】
■協議/審議事項

第1号議案 第41回全国私立保育連盟青年会議 愛知大会について
第2号議案 第42回全国私立保育連盟青年会議 広島大会について
第3号議案 第43回全国私立保育連盟青年会議開催地について
第4号議案 第16回特別セミナーについて
第5号議案 第17回特別セミナーについて
第6号議案 副会長について
第7号議案 その他


 議長 大石氏(徳島県代表幹事)

第1号議案 第41回全国私立保育連盟青年会議 愛知大会について
 竹腰愛知大会実行委員長から、第41回全国私立保育連盟青年会議愛知大会の事業報告について、また収支決算についての説明がされました。事業報告の中では、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、参加者がどのくらいになるかはじめは大変心配されましたが、多くの方々に参加をいただき、大盛況のもとに大会を終えることができたことについて報告がされました。また全国大会を通して愛知県青年部に新たな絆が生まれ、部内の新しい価値や可能性を感じることができたことについて、安定した大会運営ができたことにより今後の大きな自信に繋がったとの報告がされました。幹事からは収支決算について、また全国大会をすることによる地域組織へのメリットについて、協賛企業の動画について等の質疑がありました。第41回全国私立保育連盟青年会議愛知大会については、全会一致で承認がされました。

 竹腰愛知大会実行委員長より

第2号議案 第42回全国私立保育連盟青年会議 広島大会について
 龍山広島大会実行委員長より、第42回全国私立保育連盟青年会議広島大会について、当初予算案が示されました。収入の部、支出の部それぞれについて現時点の予算が示され協議、審議がされました。また、記念講演、各分科会の講師案についても示され、広島大会コンセプトである「子どもたちと平和な未来を~そらぁ平和が一番じゃろ~」にちなんだ講師選定であることが説明されました。幹事からは代行会社である日本旅行に係る経費について、大会予算の整合性について、広告・協賛費について、また講師案についての質疑がありました。大会予算については、今後は執行部との連携も取りながらよりリアルな形で進めていくことについて確認がされました。

 龍山広島大会実行委員長より

第3号議案 第43回全国私立保育連盟青年会議開催地について
 遠藤副会長(総務部)より、第43回全国私立保育連盟青年会議開催地の候補についての説明がありました。令和6年度の第43回大会については、「東京都」を開催候補地とすることについて全会一致で承認されました。

第4号議案 第16回特別セミナーについて
 松山副会長(企画部)より、令和4年12月14日~15日に開催された青年会議特別セミナーについて事業報告ならびに収支決算についての説明がありました。本セミナーは、すでに迎えている人口減少社会において本格的に子どもが少なくなっていく中で、我々青年保育者ができることは何なのか?10年後、20年後のあるべき姿を想像しながら、テーマに沿った非常に内容の濃いセミナーとなりました。初めての地方開催となりましたが、大成功だったことについて報告がありました。第16回特別セミナーについては、全会一致で承認されました。

 松山副会長(企画部)より

第5号議案 第17回特別セミナーについて
 松山副会長(企画部)より、第17回特別セミナーについては、会場を以前に戻すことについて、また令和6年2月15日~16日浅草ビューホテルを予約していることについて説明がありました。
浅草ビューホテルについては、コロナ前とは会場費が3倍以上の金額になっており、今後収支を積算しながら会場について検討していくことが確認されました。第17回特別セミナーについては、全会一致で承認されました。

第6号議案 副会長について
 伊藤次期会長より、来年度以降の執行部(副会長)体制について説明がありました。それぞれ専門部ごとに部長紹介があり、全会一致で承認されました。

報告事項1 都道府県及び各ブロック報告について
 藤澤幹事(福井県)より、東海・北陸ブロック定例会がありました。参加者43名で無事開催できたことの報告がされました。

報告事項2 青年会議オリジナル冊子案について
 帯田副会長(広報部)より、青年会議オリジナル冊子「YouthConferenceWithChildren」の完成報告、また冊子の送付先について、調査研究部よりGoogleフォームを通じて送付先の連絡があることについて報告がありました。

報告事項2 青年会議YouTube撮影について
 帯田副会長(広報部)より、今後のPR戦略については新たなプラットフォームを模索すること、また映像を用いた青年会議用のチャンネル「YouthConferenceWithChildren」を開設することについての趣旨説明がありました。

報告事項3 「季刊栄養教諭」について
 帯田副会長(広報部)より、全私保連広報部を通じて「季刊栄養教諭」執筆依頼について説明がありました。次回原稿執筆に青年会議からも是非協力していただくよう依頼がありました。

報告事項4 幹事の交代について
 次回幹事会について来年度青年会議代表幹事が変更される場合は現幹事もなるべく出席されるようにお願いがありました。


 横山会長あいさつ

次回幹事会は令和5年5月に予定されています。

 
1 歴史─「たくましい肥後っ子」に育つように
 熊本市保育園連盟青年部の歴史を振り返ると、平成10年度までは熊本県保育協会青年部として活動をしていましたが、平成11年度より熊本市保育園連盟青年部が発足しました。平成8年4月1日に熊本市が中核市となり、親会である熊本市保育園連盟が熊本県保育協会から分離独立したことをきっかけに、熊本市内の青年部員により熊本市保育園連盟青年部をスタートさせたことが始まりです。
 発足から24年間、初代の江藤美信部長から現部長の吉本大樹まで12代にわたり歴史を紡いできています。平成24年度には当時の山崎敬太郎部長の下、第 32回全私保連青年会議熊本市大会を開催し、熊本市青年部をアピールすることができました。また平成 31年度には創立20周年を迎え記念式典を開催し、記念講演ではサッカー元日本代表の巻誠一郎氏にご登壇いただきました。全国からも青年保育者の仲間たちにご参集いただき、盛大に開催することができました。


 熊本市保育園連盟青年部 20 周年記念式典の様子    


 熊本市保育園連盟青年部のメンバー

2 活動内容
 青年部は、親会である熊本市保育園連盟や賛助会員の諸先輩方から「失敗はしていいから、思い切った活動をするように」というありがたい支援を受けて活動しています。活動を通して組織運営の基礎を学び、最新情報の共有や共通理解、研修は受講する学びだけではなく、その計画や実施することも学びとなります。そして何よりも、青年保育者同士の分け隔てない交流が魅力の団体です。

①  県と市の垣根を越えて
 熊本市保育園連盟青年部と熊本県保育協会青年部は別組織ですが、これからの保育を考える同じ仲間として委員会活動を共に行い、活発に交流してきました。中でも年2回行っている『実践研修』は研修の立案から実施までを共同で行っており、市と県をつなぐ大切なものです。この研修は、保育者が明日からでもすぐに保育で活かせることをモットーに実践的な内容を主に企画しています。また私たち自身が学びたいことも意見を出し合って研修に反映し、幅広い学びの場としています。

②  熊本県南部豪雨災害を受けて
 令和2年7月、熊本県南部で大きな被害となった豪雨災害がありました。当時コロナ禍で制限のある中でしたが、熊本地震の時の経験も踏まえ、私たちにもできることはないかと考え、住宅が浸水して着る服がなくて困っている家庭のために、急遽子どもたちが着ることのできる服を各園で集め、被災した園へ届けて回りました。日頃から築いていた熊本市と熊本県両青年部の関係性のおかげで迅速な行動につながったのではないかと思います。
 令和4年度に行った『実践研修』では“防災計画対策研修”を開催し、講師に NPO 法人ソナエトコ理事長・水野直樹氏を招き、多くの子どもたちと職員の命を守るにはどのような備えや対策をしておくべきかなど、あらゆる災害に対して起きてからではなく、起きる前にやるべき“備え”の重要性を再確認し、実践することがいかに大切かを学びました。このような経験を研修で振り返ることで、多くの大事な命を預り守る私たちがやるべきこと、特に災害に関しては“備え”がとても重要であることを学びました。そして、災害時に青年部間の情報と支援の連携がスムーズに行えるような災害ネットワークのさらなる強化へつなげることができました。

③ 立田山野外保育センター 雑草の森の運営
 熊本市保育園連盟は、雑草の森(児童遊園 立田山野外保育センター)という児童厚生施設を運営しています。雑草の森は、昭和50年代の保育園増加とともに「子どもたちがのびのびと安全に遊べる施設がほしい」という願いから平成 14 年4月 16 日に開設されました。主に就学前児童の心身の健康と豊かな個性を育むことを目的として、子どもが自然の中でのびのびと遊び、心のふれあいを通して、思いやりと人間的豊かさ、さらに生きる力と知恵を持った「たくましい肥後っ子」に育つように、さまざまな支援を行っています。
 雑草の森と熊本市青年部のつながりは施設開設当初から歴代青年部の諸先輩方が築いてくださり、現在も運営を手伝っています。不定期ですが熊本市青年部の部員間研修として「青年部 DIY 研修」を実施し、工具の使い方やロープの結び方について学んできました。開設以来20年を迎えており、テーブルやベンチの修繕・塗装を行っています。また、雑草の森での活動の楽しみの一つとして立田山散策や森のサークルでの焼き芋、インスタントラーメン作りなど、大自然の中で“ゆっくりとした癒し”の部員間交流もしています。

3 今後の活動
 熊本市青年部にとって大きなプロジェクトであった創立20周年事業が終わったと同時に新型コロナウイルス感染症が世界中で蔓延し、一時的に社会の動きが止まり、暗いニュースが続く日々が続きました。しかし、そのような中でも青年部は止まることなく、熊本県青年部と合同でコロナ禍における保育の課題を調査し、解決に向けてすぐに動き出しました。どのような状況でも柔軟に受け入れ、時代に適応することができるのは青年部の強さであり、「青年部らしさ」だと実感しました。
 昨今は集合型の大会や研修も増え、全国の青年部員と顔を合わせる機会も以前のように増えてきました。全国の青年部の方々とのつながりを大切にし、保育に関する情報を共有していければと思います。今後も、諸先輩方の助言等を参考に、新時代に向けて取り組んでいきたいです。


 青年部 DIY 研修の様子


 雑草の森(児童遊園)の運営


(一社)熊本市保育園連盟青年部部長
(やまばとこども園園長)
 吉本大樹先生
■ はじめに
2022年12月14~15日、第16回を迎えた青年会議特別セミナーは、初となる九州は宮崎での開催。
「超少子化時代を迎えた今、10年後のあなた(園)の姿とは ? ―現実を直視し、自らが活きる道を切り開け!」という大会テーマの下、九州各県また九州以外の多くの方々にもご参加をいただき、無事に終えることができました。今回は、その様子を少しご紹介します。

 

 第16回青年会議特別セミナー会場(宮崎観光ホテル)

■ 1日目
【開会式・ようこそ!宮崎へ!】

特別セミナーも対面実施は3年振りであり、青年会議・横山会長の地元での開催ということから、開会式の会長挨拶にはいろいろな思いが込められていました。10年後の保育の姿をシビアに見つめるという今回のテーマには、当初刺激的すぎるのではないかと懸念もありましたが、結果的に多くの参加者を集めたタイムリーなものとなりました。

【基調講演】
保育業界の現実とこれから迎える淘汰の未来
講師:大嶽広展氏(株式会社カタグルマ代表取締役)

全国のさまざまな保育所・幼稚園・認定こども園の運営に関わってきた大嶽氏の講演には、少子社会を見据えたヒントがちりばめられていました。8年前には過疎地域で将来が見通せなかった熊本の法人が、東京進出をきっかけに今では保育所以外の施設を多数展開し、地元になくてはならない存在となっていることなど、我々に希望を感じさせてくれる内容でした。
法人運営に理念や方針が重要であることは間違いありませんが、何より大切なのはその地域に根ざして、その地域に必要とされるということが、今後の法人運営には欠かせないということでした。


 基調講演の様子

【講演】
過疎地域(長崎県佐世保市)の現状について
講師:谷口大輔氏(ゆりかご保育園園長)

長崎県佐世保市の郊外で60年以上にわたって運営されてきたゆりかご保育園。
炭鉱で賑わっていた時代を知る先代の後を受け継ぎ、急激な過疎化の現実と向き合いながら日々奮闘されている谷口園長のお話を拝聴しました。淡々と語られる現在の状況は、少子社会のリアリティを我々に痛切に伝えてくれました。
そんな環境にあっても、保育の楽しさや子どもたちへの愛情を語られる姿に強い共感を覚えるとともに、谷口園長の自園への強い思いが伝わる内容でした。


 
講演の様子

【パネルディスカッション】
超少子化時代を迎えた今、10年後のあなた(園)の姿とは?
〈パネリスト〉
柿沼平太郎氏(学校法人柿沼学園理事長)
新保雄希氏(泉の台幼稚舎施設長)
横山和明氏(社会福祉法人協愛福祉会理事長)
〈コーディネーター〉
大嶽広展氏(株式会社カタグルマ代表取締役)

基調講演を務めていただいた大嶽氏が進行役となり、園の運営に造詣の深いパネリスト3名の園運営に対する考え方や、取り組みの数々を伺うことができました。どのパネリストの園でも、地域に根差し、地域になくてはならない園として存在感を発揮されていますが、人口減少地域と呼ばれるエリアでも地域社会に大きな影響を与える存在になりうることを教えていただきました。また、複数施設を運営される各法人で、その方針や情報をいかに共有していくかを重視されていました。
多くの失敗もあったという話題もありましたが、トップが自ら考え、トライしていく重要さ語っていただきました。後半には後継者問題にも話が及び、これからの10年、20年先を見据えた議論を披露していただきました。


 
パネルディスカッションの様子

■ 2日目
【情勢報告】
講師:髙谷俊英氏(全私保連常務理事)

子ども・子育て会議、保育三団体協議会の取
り組み、全私保連予算要望事項などの解説がありました。数々の取り組みの中で、特に関連情報で印象に残ったものとして、こども家庭庁の関連予算の基本姿勢でした。令和5年度よりスタートするこども家庭庁ですが、保育所や認定こども園など持ち分が大変多く、山積する課題にどのように対応していくのかが、今後の注視していくポイントになりそうです。
現在、保育所や認定こども園等での虐待が大きく問題視される中、職員配置の適正化が注目されていますが、財源あっての取り組みであることを改めて考えるきっかけとなりました。

【記念講演】
0から1を生み出す力-自らが活きる道
講師:森脇潤一氏(株式会社エンペイ代表取締役 CEO)

森脇氏が自らの幼少期から今までを振り返り、自分自身がどういった経緯で子育て支援を考えていったのか、その取り組みを紹介されました。博報堂、リクルートを経て起業。リクルートでの新規事業開発担当が新しいことへの挑戦の原点だと語っていらっしゃいました。
自分の子どもが通っている保育園で、「封筒をもらって納金する従来のやり方を変えてみたい」という思いから、キャッシュレス決済のエンペイ(集金業務支援サービス)が生まれるきっかけになったことは、森脇氏の意志と起業することへの不安の中、行動力の大きさを感じました。直接的な支援ばかりに目がいきがちですが、間接的な支援の輪が広がっていくことで保育やそれを取り巻く環境がよりよく変わっていく可能性を大いに実感できました。
何もない0から1を生み出すことは、単なる変化ではない大きな一歩であると感じられる講演でした。


 
講演の様子

■ おわりに
本セミナーは、すでに迎えている人口減少社会において本格的に子どもが少なくなっていく中で、私たち青年保育者ができることは何なのか?
10年後、20年後のあるべき姿を想像しながら、テーマに沿った非常に内容の濃いセミナーとなりました。人口減少待ったなし、私たち保育者は目の前の子ども一人ひとりに真摯に向き合い、質の高い保育を提供していくこと、そしてその地域になくてはならない存在となることが改めて大切だと感じました。
初の宮崎大会となりましたが、たくさんのご参加をいただきありがとうございました。今後も青年会議として新たなことに積極的にチャレンジしていきたいと思います。

 
■ はじめに
2022年10月27日~28日、愛知県名古屋市・名古屋東急ホテルにて、「PRODUCE~みとめ愛ち」の大会テーマの下、青年会議愛知大会を開催しました。
コロナ禍でしたが、青年会議全国大会の大切な意義としての横のつながりを大切にして、現地での開催にこだわり大会運営に努めました。お陰様で現地参加 506 名、園内研修配信動画のみ63名と多くの方々にご参加をいただき、無事に大会を終えることができました。
ありがとうございました。ここでは、その2日間の様子を少しだけご紹介します。

■ 第1日目(10月27日)開会式・分科会
〈開会式・情勢報告〉
開会式では、川下勝利全私保連会長、横山和明全私保連青年会議会長が主催者を代表して挨拶を行い、併せて開催地を代表し、竹腰公見大会実行委員長が歓迎の挨拶を行いました。また、来賓として愛知県副知事・佐々木奈々子様、(社福)日本保育協会青年部長・新保雄希様より祝辞もいただきました。
続いて丸山純全私保連常務理事より、情勢報告をいただきました。少子化が進む中、国の動向、全私保連の活動を窺い知ることができ、今後の園としての未来を考える機会となりました。


〈第1分科会〉
子どもが育ち、保育者が育ち、組織が育つ園のマネジメント
和洋女子大学教授・矢藤誠慈郎氏に、マネジメントについてお話しいただきました。
組織全体を育て、組織を変えていくには職員と目標を共有していくこと、また保育の質を向上させていくためにもさまざまな園内研修を行い、楽しく、取り組み続けていくことが大切だと感じました。
保育の質を向上させていく1つの考え方として、職員同士が助け合い、フォローし合うという仲間意識と、試行錯誤を繰り返しながら、学び合う環境づくりを目指すことがあります。そして職員一人ひとりが共通目標に向かっていくことこそが、組織全体の向上につながっていくのだろうと感じた研修でした。

〈第2分科会〉
保育の中に心地よい暮らしをつくる
(社福)へきなん乳幼児福祉会理事長・へきなんこども園園長のユリア氏にお話しいただきました。
「安心・安全である保育環境こそ子どもが心地よいと感じる環境であり、心地よい環境でこそ、余分な力が入らずに子どもも大人も本来の力が出せる。保育者は子どもの生活空間、遊びや学びの環境を整え、子どもたちの最善の利益を保障しつつ最大の発達を促すべきである」へきなんこども園での年齢別の食事の仕方や遊びの姿の映像から、多くの園が「学校」のような生活形式を取り入れる中、自由でのびのびとした生活を、ユリア氏の解説とともに学ぶことができました。

〈第3分科会〉
子どもの多様性の楽しみ方
小児科医師の石川道子氏にお話しいただきました。
発達障害のお子さんへの対応や、彼らの感じている世界をわかりやすく症例を交えながら話していただき、彼らがわかりやすい方法は彼らの視点に立つと見えてくること、何に困って、どうしたいかを理解していくことで、よりよい援助方法に気づけることを教えていただきました。
子どもたちの特性に応じて得意・不得意があり、不得意なところは大人が補ってあげることで、子どもの多様性を楽しみながら保育ができるのではないかと感じた研修になりました。

〈第4分科会〉
これからのコーチング
フィールドアップ代表の田上誠司氏にお話しいただきました。
研修会では、会社に人が集まることは組織になっていくこと、その中でコーチングとは(相手が主役)一緒に考えていくことをお話しいただきました。また、研修会の間は自分の考えをしっかりと言葉で相手に伝えていくことをお題とし、グループワークを中心に研修会を行いました。
人とのコミュニケーションで大切なことは、相手に安心感、最大の承認を持たせていくことが大切であり、職員一人ひとりが活躍できるように環境を整えることでモチベーションが上がり、仕事の楽しさを自ら見つけていけるように成長させていくことが必要と学びました。

 〈第5分科会〉  保育カウンセリング
全私保連保育カウンセリング企画部の北村信人部長にお話しいただきました。
保育カウンセリングとは、保育者が行うカウンセリング、保育者だからできるカウンセリングであり、日常的、継続的に行う保育実践の中に、理論や技法を活かしたカウンセリングのことであり、保育者が個々と関わるスキルを持つことで、効率的に子どもたちと向き合えることがわかりました。
また、それは気づきと学びのアプローチであり、自分と向き合い、気づき、学び、自分らしく生きることを大切に、そして自己決定・成長するプロセスを大切にして、自己理解、自己受容を援助、支援するアプローチであることを学びました。

■ 第2日目(10月28日)行政説明・記念講演
〈行政説明〉
愛知では、朝の喫茶店「モーニング」で世代を超えた親子とのつながりを生んできました。同様に、前日の情報交換会でできたつながりを翌日につなげる、そのつながりを大会で感じていただけるように、円卓の会場セッティングで行政説明を行わせていただきました。
今後こども家庭庁が開設され、大きく保育が変革する中で、今までの幼児期から大きく範囲が広がること、「こども真ん中社会」について考えるきっかけになりました。

〈記念講演〉
こどものための PRODUCE
(株)スタジオジブリ取締役、三鷹の森ジブリ美術館館主、(公財)徳間記念アニメーション文化財団常務理事の中島清文氏にご講演いただきました。
スタジオジブリの成り立ちから、2022 年11月にジブリパークをオープンするにあたり、三鷹の森ジブリ美術館に詰まっているワクワクドキドキの考えを教えていただきました。
「みんなと同じことをしない。すべてが逆転の発想」のテーマパーク、美術館運営に力を入れていること、それが差別化につながり唯一無二のスタジオジブリの考え方につながるのだと感じました。そして、何度も挫折をしながらチャレンジすることの大切さに気づくことができました。

■ おわりに
青年会議全国大会を愛知県で開催することが決まり、新型コロナウイルス感染症の拡大により1年延期となり、約3年間という非常に長い準備期間でした。長期間ということで、実行委員会のモチベーションの維持の難しさもありましたが、大会サブテーマでもある「みとめ愛ち」(認め愛のある愛知大会のチーム=愛知大会すべての参加者・関係者)を大切に仲間と多く語り合い、多くの方々に支えていただいたことで、現地開催での愛知大会を実現することができました。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
愛知大会の参加者が大会での学びを園に持ち帰り、また園内研修配信動画を通して、新たなさまざまなPRODUCEが生まれることを願っています。さらに、3年ぶりの情報交換会も多くの方に参加をいただき、やはりこれこそが青年会議全国大会の現地で開催する意義であり、醍醐味と感じました。
愛知県私立保育園連盟青年部にとって、この愛知大会の経験は一生の財産となりました。今後の活動においても、今まで以上に認め愛の輪を大きく広げ、人と人とのつながりを大切に、子どもたちの笑顔につながる活動をしていきたいと思います。
次回、広島大会で皆様に再会できることを楽しみにしています。

第41回青年会議愛知大会実行委員会メンバー
愛知大会実行委員会一同
 令和4年12月1日(木)13:30~15:00、青年会議研修部が企画したオンライン研修会、大きなコンセプトは、今求められている保育を考えるための研修会。
 今回のテーマは「保育の可視化、ドキュメンテーションとICT」と題して開催されました。
 
 まずは冒頭講師の池谷大吾氏(株式会社スマートエデュケーション代表取締役)から、なぜ今ドキュメンテーション等による保育の可視化が求められているのか、その根元となる部分について話題提供をいただきました。ドキュメンテーションとは、日々の遊びや生活を通して子どもがどのように育っているのか、その変化や軌跡を意識して記録するという特徴があります。子どもの育ちと学びを可視化することで、保育のねらいと関連づけたり、過去の様子との違いや未来への見通しなどが明確になります。そして何より、園の中での保育者同士の対話の質が大きく変わるとのお話を頂きました。



講師:池谷 大吾氏(株式会社 スマートエデュケーション)
 
 続いて事例発表として、静岡県のこのはな保育園副主任吉田恵理子先生より、保育ドキュメンテーションを日常の保育の中でどのように行っているのか、実際にスマートフォンの画面をみながら、やり方や効果等について詳しくお話を伺いました。以前はアナログでしていたドキュメンテーションを、デジタル化することによって作成から配信までがスムーズにいくことや、作成途中でも保存ができ自分のペースで作業ができることなど様々な面で業務効率化が行えているということでした。実際に行っている作業をみることで、参加の先生方からは「保育ドキュメンテーションって作るのが大変、とにかく時間がかかるというイメージだったけど、スマホを使えばこんなに簡単にできるんだ」との感想も頂きました。


このはな保育園 副主任 吉田恵理子先生

 最後は参加の先生方でブレイクアウトルームに分かれてディスカッションの時間が設けられ、各グループでは、各園で使用しているアプリの話や、導入にはどのくらいの費用がかかるのか、また行う上でのメリット、デメリット等グループの中でたくさんの話がされていました。


 
ブレイクアウトルームでのディスカッション

 今回の研修会で感じたことは、私たちが大切にしたい子どもの主体性保育を実践する中では、ドキュメンテーション(保育の可視化)は欠かせないものであるということ。
 今回は「おうちえん」というアプリを参考にしましたが、アプリややり方は多様にあるため、自園に合ったドキュメンテーションの方法を見つけることが大切ということ。そして、創る先生の楽しさやワクワク感がとても大切だなと改めて感じました。

 
Q1  鹿児島県の魅力について教えてください
  温暖な気候に恵まれ、海、島、森、火山と多彩な自然が共存する魅力溢れる「鹿児島」。その豊かな自然から育まれた「食」や日本の変化に多大な影響を与えた「歴史」、そこから生まれ現代に引き継がれている「伝統的工芸品」の数々は、人の心を魅了し続けています。訪れて「絶景」に感動するもよし、「美味」を思う存分堪能するもよし。「温泉」で心も 体も癒やされるもよし。
訪れれば、きっと旅のすべてが満たされる鹿児島。 さぁ、どんどんおいで、鹿児島に。

Q2 青年会はどういった組織ですか?
 平成15年に「鹿児島県保育連合会青年部」として発足し、平成27年の組織改編に伴い「鹿児島県子ども子育て青年会(以下、青年会)」と名称変更しました。現在、正会員、賛助会員合わせて71名で構成されています。
 青年会の第1の目的は、組織の垣根を越えて、保育という営みそのものに目を向け、子どもの最善の利益のために必要な新しい知識を身につけていきたいと考えています。また青年らしい自由な発想で、保育における人材育成や組織強化のアイデアを出し合いながら研修会や調査研究を行い、次世代の保育リーダーとして成長できるように、会員間の交流を 深めながら学び合う組織を形成しています。

Q3 「絆 KIZUNA プロジェクト」とは?
 新型コロナウイルス感染拡大により、日本中が未曾有の事態となりました。しかし、私たち青年会はこれからポストコロナに向けて前に進んでいかなければなりません。
 青年会としては、こんな時だからこそ、みんなと離れていてもつながっていたい、互いのことを考えて、絆を深めたい。そんな思いをこめて「絆 きずな プロジェクト」を実施しました。
 第1弾としては、絆やつながりを意味する『The bond between』をロゴとした、青年会員限定のトートバッグを作成、第2弾としては、青年会の新しいパンフレット「つながりは一生もの」を作成しました。青年会の思いのこもった作品となりました。


絆 KIZUNA
プロジェクトによるトートバッグとパンフレット


第4回九州保育三団体青年部協議会鹿児島大会    


保育実践研修会(公開保育)

Q4 青年会の活動について教えてください
① 調査研究事業
■県内全市町村に対する保育施策の実態調査(令和2年度)
 子育て支援制度が各市町村に委ねられている現状で、県内全市町村に対し、保育・子育てに係る補助金の調査・研究を行いました。結果として、県内それぞれの市町村における保育・子育て支援に関する取り組みも、多少の格差が生じてきています。国が用意している保育・子育て支援に関するメニューをしっかりと把握し、それぞれの市町村に対して、事業者側から声を上げ、アプローチしていくことが重要だと改めて感じました。

■養成校学生の意識・実態調査(令和3年度)
 深刻な人手不足が続く保育界において、これからの保育を担う県内の保育学生がどのような意見や思いを持っているかを明らかにし、今後の「保育の魅 力発信のための取り組み」の参考にするための実態 調査を行いました。350名程度の回答を得て、学生が抱く保育士の仕事や職場環境への期待と、就職後 の実際の現場とのギャップにショックを受ける、いわゆるリアリティショックやミスマッチに関係する「不安に思うこと」も明確になり、また学生が普段使用しているSNS等の調査結果を鑑み、各園の情報発信ツールの見直しの提言も行いました。

■保育士・保育教諭の意識・実態調査(令和4年度) 
 今年度は県内の保育施設で働く保育士、保育教諭の実態調査と情報収集をしています。実際に保育者がどのような思いで保育しているのか、満足している点、満足していない点を明らかにし、本調査が保育現場のエビデンスとなるように実施しています。

② キャリアアップ研修事業(完全オンライン)
 コロナ禍で青年会が行う研修会はすべて完全オンライン化して対応してきました。特に保育士等キャリアアップ研修会を令和3年度で2分野、令和4年度で1分野開催しました。各研修会で150名ほどの参加者があり、オンラインやリモートに強い青年会としての価値が生まれたように感じています。

③ オレンジリボン事業
 青年会では、コロナ禍以前から毎年11月の児童虐待防止推進月間に合わせて、オレンジリボン啓発街頭活動を行っています。会員園の職員や養成校の学生等のご協力をいただき、声かけとともに啓発パンフレットや広告入りマスクを配布して、子ども虐待の防止と社会的関心の喚起を図っています。

Q5 全国の皆様へメッセージをお願いします
 新型コロナウイルスの感染拡大により、青年会の事業も多大なる影響を受けましたが、私たちはこれをあまりネガティブに捉えていません。むしろよい機会と捉え、さまざまな新規事業を行ってきました。 今一度青年会という組織の意義と新たな在り方について考え、前を見て一歩一歩進んでいきたいと思っています。保育という営みそのものに目を向け、鹿児島県の保育における人材育成や組織強化の手法を常に研鑽し、次世代の保育リーダーとして成長できるように、活動していきます。これからも、青年会をどうぞよろしくお願いします。



オレンジリボン活動
(コロナ渦以前)



鹿児島県子ども子育て青年会会長
(川内すわこども園 SECOND)
帯田英児先生

 
 令和4年10月27日(木)10:00~、令和4年度第3回青年会議幹事会が本年度の全国大会開催地である愛知県名古屋市において、完全対面形式で開催されました。コロナ禍以降完全対面による開催は約3年ぶりとなります。
 本幹事会の主な内容は、来年度の全国大会広島大会について、また令和5年度各専門部の事業計画、予算について、また次期会長の選出について等非常に中身の濃い会議となりました。今回はその幹事会の内容を一部ご紹介させていただきます。

令和4年度第3回幹事会の様子


全私保連 川下会長挨拶


全私保連 藤谷副会長挨拶

■協議/審議事項
第1号議案 第42回全国私立保育連盟青年会議 広島大会について
 令和5年度に開催が予定されている第42回全国私立保育連盟青年会議広島大会について、龍山大会実行委員長から、開催日及び会場、また大会趣旨文についての説明があり、審議・協議がなされました。
※開催日が以下の日程へ変更となりました。
開催日:令和5年11月1日(水)~2日(木)
場 所:JMSアステールプラザ・広島国際会議場

第42回青年会議広島大会のチラシ

第2号議案 令和4年度補正予算について
 総務部より令和4年度補正予算書が示され、今年度の専門部部会開催による実績に伴う旅費交通費の補正案について、また企画部より青年会議の新たなバッヂについて、追加発注を行うための補正予算について説明があり、審議・協議がなされました。

第3号議案 役員(会長)選任について
 青年会議次期会長の選任について、選考委員会(27日9:30~)において議長を務めた横山会長より、今回第14代会長に立候補した現研修部長で副会長の伊藤悟氏(静岡県)が、全会一致で承認されたことについて報告がありました。なお、本幹事会においても審議・協議がなされ、次期会長に伊藤悟氏が就任することについて幹事会全会一致で承認されました。

第3号議案 役員(会長)選任についての様子

第4号議案 令和5年度中期計画について
 横山会長より、青年会議ビジョンでもある中期計画について説明がなされました。今後も継続して青年らしい学びを追求していくこと、アフターコロナを意識しながら人と人との出会いを大切にし、発足時に掲げた志「青年らしい自由と共助の精神」の下に、これから青年会議としてさらなる発展が必要だとの表明がされました。また新たなビジョンとして、保育を取り巻く環境と新しい時代に対応していく為に、他団体の青年保育者と情報共有し、新しいコミュニティを構築したいとの考えが示されました。

第4号議案 令和5年度中期計画についての説明

第5号議案 令和5年度事業計画、予算について
 各専門部より、令和5年度事業計画について説明がありました。事業計画のあとに令和5年度予算についても説明があり、それらについての審議、協議がなされました。今現在各専門部において行っている事業に加え、今後青年会議としてどのような形で新規事業を行っていくか、アフターコロナに向けて各専門部が連携しながら、青年会議の事業を発展させていきたいとの説明がありました。


第5号議案 令和5年度事業計画、予算についての様子



幹事会審議の様子

以上すべての議案事項については全会一致で承認されました。

 
 全国私立保育連盟会員園の皆様、こんにちは。秋田県民間保育協議会青年部です。昨年度は、本連載で地域の魅力発信事業の一環として、秋田県民間保育協議会の発足時~令和2年度までの歴史・経緯や具体的な活動についてご紹介しました。今年度も魅力発信記事を掲載する機会をいただきましたので、 今回は秋田県民間保育協議会青年部の令和3年度の活動内容についてご紹介したいと思います。
 昨今のコロナ禍でさまざまな制約が生じている中でも、「青年部らしさ」をもって活動を継続していきたいとの思いから、部員一丸となり議論を重ね、 活動を発案・研修会等のイベントを企画・開催してきました。今年度は、昨年度プレデビューした秋田米の新品種「サキホコレ」が本格デビューします。「あきたこまち」に比べて味の存在感や噛むほどに 広がる深みが特徴と言われています。我々青年部も 可能な範囲で何ができるのかを常に模索し、「サキホコレ」のようなフレッシュな存在感を発揮していきたいと考えています。秋田の保育を取り巻く環境の活性化と会員園の皆様への有益な情報還元等、未来へつながる広がりのある活動を目指しています。その一端をご紹介します。ぜひご覧ください。


■青年部研修会の開催
 コロナ禍で集合型の研修に制限がかかる中、青年部としてどのような活動ができるのか、協議するところから令和3年度の活動は始まりました。協議の中で、感染拡大リスクの少ない方法として WEB に よる会議や研修が増加していることに着目。今後、私たちの主催する研修会も WEB 形式で行うことが 十分に考えられる状況であったことから、青年部員のWEB 研修スキル向上が後につながるとの結論に至りました。また、その技術が将来的には保育協議会全体に還元されるという協議もなされ、まずはスキル向上を目的とした青年部員向けの研修を企画し、9月 24 日、「青年部研修会」開催に至りました。現時点で多くの研修会で活用されているZoom について理解を深めようというねらいから、専門業者に依頼しZoom ミーティングルームで研修会を行いました。業者さんの計らいもあり、終始和気藹々とした雰囲気で行われ、具体的な内容として、まずは設定・操作や各機能といった基本的なところから始まり、トラブルシューティング等についてご指南いただき、その後、実際に会議や研修会を主催するための重要事項や必要事項、さらには事前準備や当日の流れ等の細かい部分までご教示いただきました。研修会に参加したことはあっても、主催者側の経験がなかった私たち青年部にとっては非常に有意義な時間となり、今後コロナ禍で開催するであろうWEB 形式での研修に欠かせない知識や技術を学ぶ経験をいただいた、貴重な研修となりました。

■「青年部研修会」で得たスキルを会員園向けの研 修会で還元した「園長セミナーⅡ」
 秋田県民間保育協議会事業の一環として、主に管理職の方々を対象としたセミナーを毎年開催していますが、その内の1つ「園長セミナーⅡ」を青年部が担当しています。
 令和3年度のセミナーは12月6日に行われ、コロナ禍の危機対応について WEB 上で講師を招いて講演いただく形をとりました。前述した青年部員向け研修の学びを実践の場で活かすべく挑戦を試み、企画段階から専門業者のサポートもいただきながら打ち合わせやリハーサルを行い、その都度課題をピックアップして対応策を練るなど、入念な下準備を重ねてきました。講師との打ち合わせも事前にZoom で行うなど、部員間の協議も含め大半が WEB 上によるやり取りの中で進めています。準備段階でネット環境の不備等のトラブルもあり、不安の残る中での本番開催となりましたが、多少のトラブルはあったものの部員全員が一丸となり成功裏に終えることができました。
 青年部員全員が WEB 研修主催は初めてというゼロからのスタートとなったわけですが、経験がなくても「やればできる」ということを証明できたという点で、私たちの目指す「青年部らしさ」を発揮できた研修会になったのではないかと思いました。今後のwithコロナ時代において、この経験を活かしながら令和4年度以降もさまざまな事業に挑戦していきたいと考えています。

■今後の青年部の展望【青年部部長より】
 平成27年度に発足した私たち青年部は、今年度で8年目を迎えます。これまでも既成概念にとらわれず、他の部や団体が企画してこなかったような新しい切り口での研修会を開催したり、他県・県内の施設を訪問して先進的な保育の取り組みや設備を見学 させていただいたりしました。研修会の企画も施設見学も、初めは勝手がわからずミスや粗相が多く参加者や相手方にご迷惑をおかけしましたが、回数を重ねるごとに経験も積み重ねることとなり、今ではオンラインを活用しての部会や研修会の開催などもスムーズに進行できるようになってきています。今後、青年部に対する期待も大きくなるものと思っています。私たち青年部がさまざまな活動を通して経験していくことが、巡り巡って会員各施設のためになり、ゆくゆくは県組織の活性化につながることを信じています。これからも、さまざまな角度・ 視点から保育を取り巻く現状を俯瞰して、現状に合った課題に向き合って解決の道筋を見出せるよう精進していきたいと思います。
 秋田の「わげぇもん」【若い者、若者】、「がりっ とけっぱる」【しっかり頑張る】がらなぁ!!


青年部が担当した「園長セミナーⅡ」の様子

青年部研修会の研修準備の様子

秋田県民間保育協議会青年部部長
(旭保育園園長) 伊藤昌人先生


秋田県民間保育協議会青年部副部長
(ときわベビーハウス園長)
伊藤隆将先生