公益社団法人 全国私立保育連盟

研修報告

平成30年度 保育実践セミナー開催報告

開催日程
2018年10月31日~11月2日
開催場所
広島県・広島市
 2018年10月31日〜11月2日の3日間、広島市のホテルセンチュリー21広島において、全国から180名の参加者を集め、『主体的な生活とあそびのあり方を探る ~新指針・要領から読み解く乳幼児期の「保育・教育の本質」を考える~』をテーマに開催されました。
 1日目は東京立正短期大学の鈴木健史氏による「指針・要領を深く読み解く①主体的・協働的なグループワークを通じて」と題した講義・演習でした。新指針では、「保育の質及び職員の専門性の向上」のために「組織的に対応」することが求められていることを踏まえ、「関係性」や「協同性」・「同僚性」をキーワードにグループワークを通して、参加者が主体的に学び、互いに学びを共有する機会となりました。
 2日目は乳幼児教育実践研究家の井桁容子氏による「指針・要領を深く読み解く②保育者は子どもの姿をどのように捉え関わるのか」と題した講義・演習でした。今般の指針改定を貫くキーワードである「温かく、受容的、応答的に関わる」ためには、保育者がどのように深く「子ども理解」し、それに基づいて「援助・配慮」するのかを、豊富な事例を通して、考える機会となりました。
 3日目は東京家政大学の加藤繁美氏による「指針・要領を深く読み解く③『子どもとつくる保育』を考える」をテーマにした講演でした。「子どもとつくる保育」の原則を「逸脱」と「参画」とし、「逸脱」が持つ子ども一人ひとりの「意味生成」の働きと、子どもの「意見を聴きとられる権利」・「参画する権利」を保障するところに「保育の専門性」があることを、こちらも多様な事例を通して学ぶ時間となりました。
 3日間の講義・演習はいずれも密度が濃く、参加者一人ひとりとそれぞれの保育現場の「実践」を振り返り、新指針・要領に基づいた新しい「実践」につながるヒントを得る貴重な研修になったことを主催者の一人として確信しています。 
(前田武司/全私保連研修部)