公益社団法人 全国私立保育連盟

活動報告

神戸市私立保育園連盟青年会議の紹介

1 神戸市の魅力
 神戸市は人口約150万人を擁し、政令指定都市として全国第7位に位置する都市です。海と山に囲まれた美しい自然環境と、異国情緒あふれる街並みが調和した魅力的な都市でもあり、国内外から多くの人々を引きつけています。1868年の開港以来、多くの外国文化が流入し、北野異人館街や旧居留地など独自の歴史的景観が形成されました。こうした異文化が息づく街並みは、訪れる人々に新鮮な印象と深い感動を与えてくれます。
 また神戸は“グルメの街”としても広く知られ、世界的に有名な神戸牛をはじめ、スイーツ、ベーカリー、中華街・南京町の本格中華など、多彩な食文化が楽しめます。近年ではウォーターフロントエリアの再開発も進み、リニューアルされた神戸ポートタワー、芸術と水族館が融合した神戸ポートミュージアム、音楽とスポーツが融合したジーライオンアリーナ神戸など、新たな観光スポットも登場しています。ハーバーランドやメリケンパークでは、海風を感じながらの散策や夜景鑑賞も楽しめるなど、心身ともにリフレッシュできる場所として人気です。
ぜひ、神戸の魅力を感じにお越しください。

2 青年会議の目的および事業
(公社)神戸市私立保育園連盟青年会議は、加盟園の経営や運営の次代を担う園長や職員が相互に研鑽と親睦を深めることを目的として活動しています。その目的達成のため、神戸市私保連の事業に積極的に参画し、研修の企画・実施を行っています。また、神戸市私立幼稚園連盟次世代部会とも定期的に交流し、神戸市の保育・教育の未来について、意見交換を行う場を設けています。保育園、こども園、幼稚園といった施設の枠を超え 、「子どもたちのために何ができるか」「保育士・幼稚園教諭の魅力を発信するにはどうすればよいか 」といった問いに対して、青年らしく多様な視点で意見を交わしながら活動を進めています。
 現在の会員数は30人ですが、今後はより多くの若手職員にも参画してもらい、神戸市における保育のさらなる発展と地域社会の子育て支援の充実に貢献していきたいと考えています。また、地域とのつながりを大切にしながら、現場のニーズに即した活動を通して、未来の保育を支える人材の育成にも力を注いで参ります。

3 青年会議の研修
 青年会議では、会長、副会長、部会長を中心に研修内容や学びの方向性について意見を出し合い、 実りある研修を企画しています。主に3つの柱からなる研修を展開しています。
 1つ目は「視察研修」です。保育園やこども園に加え、児童養護施設や介護付きシェアハウスなど、福祉の幅広い分野に触れる視察を行っています。視察研修は、保育の質を向上させるうえで非常に貴重な学びの場です。他園の保育プログラムや実践を知ることで、自園の保育に新たな視点やヒントが得られます。遊びの工夫や発達に応じた支援方法、施設環境の整備、職員間の連携のあり方など、多くの気づきがあります。他園の良い点を実際に見て学ぶことで具体的な改善にもつながり、結果として地域全体の保育水準の向上に貢献しています。
 2つ目は「職員(現場)向け研修」です。これまでに、運動遊び、絵画技法、アンガーマネジメントなど、子どもの育ちに直結する内容を取り上げてきました。令和6年度は助産師の方を講師に迎え、命の尊さや出産の奇跡、そして出生後の支援について学び、保育の原点を見つめ直す機会となりました。経営面だけでなく、日々子どもと関わる現場の職員が深く学ぶことで、子どもに寄り添った保育実践が可能になります。令和7年度は、より多くの職員が積極的に研修に参加し、自園で実践できる学びを深められるよう努めて参ります。今後も実践的かつ継続的な研修を通じて、保育の質を高めていきたいと考えています。
 3つ目は「経営層向け研修」です。社会福祉法人の経営のあり方や、今後の保育経営について学ぶ場を設けています。令和6年度は「園の魅力発信」をテーマに、SNSを活用したブランディングや情報発信について学びました。園によってSNSの目的や手法は異なりますが、情報発信の重要性が高まる中で、採用活動や園児募集にも直結するテーマとして活発な意見交換が行われました。会員同士の交流を通じて新たな視点を得るとともに、判断力・実践力の向上にもつながる有意義な研修となりました。

4 青年会議のこれから
 私たち若手経営者は、今まさに保育の未来を左右する転換点に立っています。少子化の加速、保育 士不足、保護者ニーズの多様化、ICTの進展など、保育を取り巻く環境は急速に変化しています。その中で経営の手法も保育のあり方も、従来の常識にとらわれない柔軟な視点と発想が求められています。
  単に施設を運営するという視点ではなく、「子ども・保護者・職員・地域社会」すべてに目を向け、社会全体で子どもを育てるという意識が必要だと考えています。今「こどもまんなか社会」という考え方が掲げられていますが、私たちはまさにその実現を目指し、子どもたちの「やってみたい」「知りたい」「関わりたい」という意欲を大切にして主体的に学べる環境づくりを進めていく必要があります。青年会議では、保育の質の向上と、それを支える経営の質の向上という“両輪”のバランスを重視しながら、研修や意見交換を活発に行い、多様な価値観を学び合うことで、地域社会に貢献していきたいと考えています。今後も新しい課題に果敢に挑戦し、柔軟で創造的な取り組みを進めて参ります。
 最後に、先輩方が神戸の保育を長年築き上げてこられた成果として、2024年の「共働き子育てしやすい街ランキング」で全国第1位を獲得しました。私たち青年も先輩方の想いをしっかりと受け継いでいかなければなりません。神戸市の子育て支援のさらなる充実に貢献できるよう、熱意をもって活動して参ります。今後ともご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
(橋本拓弥/神戸市私立保育園連盟青年会議会長、幼保連携型認定こども園光愛児園副園長)


 青年会議総会の様子


 保育園の視察研修


 多世代型介護付きシェアハウスの視察研修    


 令和7年度全国保育協議会 
 近畿ブロック保育研究集会 
 神戸大会の様子(2025年7月10日)